HACHIMARU COFFEE ROASTERY
産地ページ / Origin

インドIndia

南部カルナータカ州を中心に、シェード(日陰)栽培でロブスタ種・アラビカ種の両方を生産する国。World Coffee Researchは「世界最高品質のロブスタ生産国」と評しており、モンスーン期の雨風に生豆をさらす独自のスペシャルティ製法「モンスーンドマラバール」でも知られる。

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インドの位置。小さな世界地図の枠は、この地図が世界のどこを切り取っているかを示す。地図データ:Natural Earth(パブリックドメイン)
2025/26年度生産量(確定値)
37.3万トン(Coffee Board of India)
ロブスタ/アラビカ比率
約70% / 約30%
主要産地
カルナータカ州(約72%)
世界輸出ランキング
諸説あり(下記参照)
01

基本情報

SOURCE: Coffee Board of India公式統計/World Coffee Research国別ページ
国名
インド共和国
栽培の歴史
1600年代から栽培が始まった、世界でも古参のコーヒー生産国の一つ(WCR)。1925年設立のCentral Coffee Research Institute(CCRI)は、世界でも現存最古クラスのコーヒー研究機関の一つ
2025/26年度生産量(確定値)
合計37.3万トン。アラビカ11.1万トン、ロブスタ26.2万トン(Coffee Board of India、2026年8月確認)
2026/27年度生産見込み(開花後予測)
合計40.4万トン。アラビカ12.0万トン、ロブスタ28.4万トン
栽培方式
ほぼ全量がシェード(日陰樹の下での)栽培(WCR)
農家数
推定33万戸、うち約80%が小規模農家(Enveritas Global Farmer Study, 2018、WCR経由)。Coffee Board統計では10ha未満の保有者が439,891件、10ha以上が2,862件(2024/25年度)
輸出額
約12.5億米ドル(WCR)
世界輸出ランキングは資料により表現が異なる。 WCRは「ICOの2022〜2024年平均で世界6位」と記載している。一方、当サイトがベトナムページで用いたICOの無料公開データ「Table 1」(2023年3月〜2024年2月の輸出実績)では、インドの輸出量は648.4万俵で、同じ表内の国別順位としては上位4位相当の数値となる。単月・単年か複数年平均かなど、集計期間の違いによる差と考えられるが、当サイトではどちらが「正しい」かを独自に判定できていないため、両方の数値をそのまま併記する。
アラビカ(トン)ロブスタ(トン)合計(トン)
カルナータカ州79,145177,550256,695
ケーララ州2,07578,27580,350
タミル・ナードゥ州13,9456,03019,975
伝統産地 合計95,165261,855357,020

2025/26年度、伝統的産地(南インド3州)の内訳。カルナータカ州が合計の約72%を占め、次いでケーララ州(約22%)、タミル・ナードゥ州(約6%)。(Coffee Board of India公式統計、2026年8月確認)

02

品種:アラビカからロブスタへのシフトと高品質化

SOURCE: World Coffee Research国別ページ

WCRによれば、この40年間で多くのインドの農家がアラビカ種からロブスタ種へと転換してきた。要因として、アラビカ種を襲う害虫「ホワイトステムボーラー(white stem borer)」の被害圧力と、経済的な事情の両方が挙げられている。この結果、インドは「世界最高品質のロブスタ生産国」として認識されるに至った。

インドのコーヒーは、17世紀のイエメンからの早期導入以来の遺伝的多様性と、国を挙げた品種改良投資の蓄積により、豊かな遺伝資源を持つとWCRは評価している。一方で、インドの農家は「世界のどの産地よりも強い病害圧力」に直面しているともされ、これが耐病性・気候変動耐性品種の研究優先度を押し上げているという。

ロブスタ品種の実例。 インドのCCRI(Central Coffee Research Institute)は、1940年代後半に「Sln.1R」——世界で初めて公式に発表されたロブスタ品種とされる——を発表し、後続の「Sln.2R」(大粒・Aグレード豆の安定性を特徴とする)・「Sln.3R」(矮性・コンパクトな樹形で植栽2年目から結実)も発表している。詳細はSln.1RSln.2RSln.3Rの各品種ページ(3品種比較表あり)を参照。
03

独自のスペシャルティ製法:モンスーンドマラバール

SOURCE: Coffee Board of India 市場データベース資料(グレード名の確認のみ)

インドには、他の産地にはないユニークな後処理製法「モンスーンドマラバール(Monsooned Malabar)」がある。乾燥させた生豆を、開放型の倉庫で6〜9月頃のモンスーン(雨季)の湿った風に数か月さらすことで、豆が膨張し淡い黄金色に変化、酸味が穏やかになるとされる製法。Coffee Board of Indiaが公表する市場データベース資料には、この製法による豆の等級として「Monsooned Malabar AA」「PB」「C」「BBB」という格付け名が実際に登場する。同様に、ロブスタ種の高級グレード「Robusta Kappi Royale」や、アラビカ種の大粒グレード「Mysore Nuggets Extra Bold」といった、インド独自の商業銘柄名も同資料に見られる。

製法の技術的詳細は今回未確認。 モンスーニング処理の正確な期間・温度湿度条件・格付け基準(AA/PB/C/BBBそれぞれの物理的定義)は、Coffee Boardの技術文書を直接確認できておらず、今回は業界で広く一致した説明を暫定的に記載している。上記のグレード名自体はCoffee Boardの公式資料内での使用を確認済みだが、その定義の一次資料での裏付けは今後の課題。
04

今後追加すべき項目

  1. Coffee Board of India「Coffee Statistics」coffeeboard.gov.in/coffee-statistics.html(2026年8月5日取得)
  2. World Coffee Research「India」国別ページ(worldcoffeeresearch.org/countries/india、2026年8月5日取得)
  3. International Coffee Organization「Table 1: Exports of All Forms of Coffee by Exporting Countries」MTS-0324(2024年3月発行、2026年8月5日取得)