品種ページ / Variety
マラゴジッペMaragogipe
1870年、ブラジルのマラゴジッペ市の近くで発見されたティピカの自然変異種。豆・葉・節間(枝の節と節の間隔)がいずれも非常に大きくなるのが特徴で、その原因は単一の優性遺伝子にある。当サイトに既にページのあるパカマラの親品種にあたる。
- 最適標高帯
- 高(1,000m〜、緯度依存)
- 豆のサイズ
- 非常に大きい
- さび病耐性
- 低い▼
- 収穫量
- 低い▼
01
基本情報
SOURCE: WCR VARIETY CATALOG- 品種名
- マラゴジッペMaragogipe
- 系統・成り立ち
- ティピカの自然変異種
- 発見地
- ブラジル・マラゴジッペ市Maragogipe近郊(品種名の由来)
- 発見年
- 1870年
- 開発機関
- なし(自然変異のため育種者の記載なし)
- 変異の内容
- 単一の優性遺伝子により、豆・節間・葉が特に大きくなる
WCRカタログ自身が「パカマラの方が良い選択肢」と書いている。 カタログのマラゴジッペの項には「マラゴジッペは収量が低いため、パカマラの方がより良い選択肢と考えられている(Due to the low productivity of Maragogipe, Pacamara is considered a better option)」という記述がある。大粒という魅力的な特徴を持ちながら、栽培品種としては後継種に置き換わっていったという評価が、一次資料の側にはっきり書かれている例。
02
詳細スペック
SOURCE: WCR CATALOG, 2026-08-10 取得
評価の目安:
▲ 良好
● 標準
▼ 要注意
— WCRカタログ自身の区分(Low/Medium/High/Exceptional等)をそのまま可視化したもの
最適標高帯(WCRカタログの区分は「High」)は緯度により変動する — カタログ自身の目安を可視化:
2,000m1,500m1,000m500m0m
1,600m+北緯/南緯
5°以内
5°以内
1,300m+5〜15°
1,000m+15°以上
- 樹形
- 高いTall
- 新芽の葉色
- 銅色Bronze
- 豆のサイズ
- 非常に大きいVery Large
- 収穫量ポテンシャル
- 低い▼
- 高標高での品質
- 非常に良いVery Good▲
- さび病(CLR)耐性
- 低い・感受性あり▼
- 線虫耐性
- 感受性あり▼
- コーヒーベリー病(CBD)耐性
- 感受性あり▼
- 初収穫までの年数
- 4年目
- 必要な栄養レベル
- 低いLow▲
- 果実の成熟時期
- 平均的Average●
- 生豆歩留まり
- 平均的Average●
- 推奨植栽密度
- 3,000〜4,000本/ha(単幹剪定の場合)
- 遺伝的系統区分
- ブルボン・ティピカ群(ティピカ系)
※上記のうち「生豆歩留まり」だけは他品種と異なり、WCRカタログの区分で非常に高い(Very High)とされている。果実の大きさに対して豆が大きいという、マラゴジッペの特徴がここにも表れている。
03
パカマラの親としてのマラゴジッペ
SOURCE: WCR VARIETY CATALOG当サイトのパカマラのページで扱っている通り、パカマラは1958年にエルサルバドル・コーヒー研究所(ISIC)がパカスとマラゴジッペを交配して作った品種である。それぞれの親が持ち込んだ特徴は次の通り。
- マラゴジッペ側
- 非常に大きい豆(Very Large)。ただし樹高が高く、収量は低い
- パカス側
- 矮性・コンパクトな樹形(Dwarf/Compact)。密植できるため単位面積あたりの収量を上げられる
- 結果としてのパカマラ
- 矮性でありながら非常に大きい豆を持つ。高標高でのカップ品質はWCR区分で卓越(Exceptional)
なお同じくマラゴジッペの大粒を受け継いだ関連品種として、カトゥーラと結びついたマラカトゥーラ(Maracaturra)があるとカタログは記している。当サイトではマラカトゥーラのページは未作成。
04
今後追加すべき項目
- マラカトゥーラのページ — WCRカタログ内に別項があるため、同じ手順で作成可能。マラゴジッペの大粒形質がどう受け継がれたかを比較できる。
- 現在の主な栽培国 — 今回参照したWCRカタログのマラゴジッペの項には、栽培国の一覧が記載されていなかった。他の一次資料での確認が必要。
- 格付けにおける大粒豆の扱い — スクリーンサイズによる格付け(生豆の格付けページ参照)で、マラゴジッペのような極端な大粒がどう分類されるかは未調査。
- World Coffee Research, Variety Catalog「Maragogipe」(varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/maragogipe、2026年8月10日取得)