HACHIMARU COFFEE ROASTERY
品種ページ / Variety

ティピカTypica

アラビカ種の二大系統のひとつ、ティピカ系統を代表する品種。樹高が高く、収量は非常に低く、主要な病害にも弱いが、カップ品質は良好とされる。1940年代までは南米・中米のコーヒー農園の大半がこの品種で植えられていた、いわば「すべての出発点」にあたる品種。

最適標高帯
高(1,000m〜、緯度依存)
豆のサイズ
大きい
さび病耐性
低い
収穫量
低い
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基本情報

SOURCE: WCR VARIETY CATALOG
品種名
ティピカTypica
系統・成り立ち
ブルボン・ティピカ群(ティピカ系)。特定の交配によって作られた品種ではなく、ジャワ島に送られた数粒の種子に由来する系統
原産
アラビカ種全体と同じく、エチオピア南西部が原産とされる
開発機関
なし(育種者の記載なし=人為的に育種された品種ではない)
主な現在の栽培国
ペルー、ドミニカ共和国、ジャマイカ
派生した主な品種
マラゴジッペ(自然変異)、ムンド・ノーヴォブルボンとの自然交配)

WCRカタログの「Lineage(系統)」欄には、ティピカが各地で呼ばれてきた別名が列挙されている。産地ごとに違う名前で呼ばれてきたため、別の品種のように見えて実は同じティピカ、というケースがある。

「ブルーマウンテン」「スマトラ」は、産地名であると同時にティピカの別名でもある。 WCRカタログは、ジャマイカで栽培されるティピカが「ジャマイカ・ブルーマウンテン」と呼ばれていると本文でも明記している。当サイトのスペシャルティコーヒーとはのページでは、ジャマイカ・ブルーマウンテンの等級規格そのものについて一次資料が見つからず未確認としているが、品種としての位置づけについてはこのWCRの記述が根拠になる。同様に「スマトラ」もインドネシアの島名であると同時に、カタログ上はティピカの別名として挙げられている。
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詳細スペック

SOURCE: WCR CATALOG, 2026-08-10 取得
評価の目安: 良好 標準 要注意 — WCRカタログ自身の区分(Low/Medium/High/Exceptional等)をそのまま可視化したもの

最適標高帯(WCRカタログの区分は「High」)は緯度により変動する — カタログ自身の目安を可視化:

2,000m1,500m1,000m500m0m
1,600m+北緯/南緯
5°以内
1,300m+5〜15°
1,000m+15°以上
樹形
高いTall
新芽の葉色
銅色Bronze
豆のサイズ
大きいLarge
収穫量ポテンシャル
低い
高標高での品質
非常に良いVery Good
さび病(CLR)耐性
低い・感受性あり
線虫耐性
感受性あり
コーヒーベリー病(CBD)耐性
感受性あり
初収穫までの年数
4年目
必要な栄養レベル
中程度
果実の成熟時期
平均的Average
生豆歩留まり
平均的Average
推奨植栽密度
3,000〜4,000本/ha(単幹剪定の場合)
遺伝的系統区分
ブルボン・ティピカ群(ティピカ系)
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ティピカが世界に広がった経路

SOURCE: WCR VARIETY CATALOG「Typica」History より

WCRカタログのティピカの項には、この品種が世界に広がっていった経路が年代付きで記されている。中南米の産地ページで繰り返し登場する「〇〇年にコーヒーが伝わった」という話は、その多くがこの一本の流れにつながっている。

15〜16世紀
アラビカ種はエチオピア南西部が原産とされる。そこからイエメンへ渡った。
1700年まで
イエメンの種子がインドで栽培されるようになる。
1696年・1699年
インドのマラバル海岸からバタヴィア島(現在のインドネシア・ジャワ島)へ種子が送られる。この数粒の種子が、今日ティピカと呼ばれる品種を生んだ。
1706年
ジャワ島から1本のティピカがアムステルダムへ運ばれ、植物園に植えられる。
1714年
オランダからフランスへ株が分けられる。
1719年
オランダから交易路に乗りオランダ領ギアナ(現スリナム)へ。
1722年
さらにカイエンヌ(仏領ギアナ)へ。
1723年
パリから西インド諸島のマルティニークへ株が送られる。
1727年
仏領ギアナからブラジル北部へ。1760〜1770年の間にブラジル南部へ達する。
1730年
イギリス人がマルティニークからジャマイカへ導入。
1735年
サントドミンゴへ到達。
1748年
サントドミンゴからキューバへ種子が送られる。
1779年
キューバからコスタリカへ。
1840年
キューバからエルサルバドルへ。(なお同国では1740年時点で既に栽培されていたとの記述もカタログ内にある)
18世紀後半
カリブ海(キューバ・プエルトリコ・サントドミンゴ)、メキシコ・コロンビア、そして中米一帯へ拡大。
〜1940年代
南米・中米のコーヒー農園の大半がティピカで植えられていた。
現在
低収量かつ主要病害に弱いため、アメリカ大陸の多くで置き換えられた。ただしペルー・ドミニカ共和国・ジャマイカでは今も広く植えられている。
当サイトの産地ページとのつながり。 ブラジル(1727年)、コスタリカ(1779年)、エルサルバドル(1840年)、インドネシア(1696〜99年のジャワ島)、ペルー(現在も広く栽培)は、いずれもこの経路上にある。当サイトの各産地ページはそれぞれの国の一次資料に基づいて書かれているが、品種の側から見るとこのように一本の線でつながる。
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今後追加すべき項目

  1. World Coffee Research, Variety Catalog「Typica」(varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/typica、2026年8月10日取得)— 基本情報・詳細スペック・History全文・Lineage欄の別名記載