01
基本情報
SOURCE: WCR VARIETY CATALOG
- 品種名
- パカスPacas
- 発見地
- エルサルバドル・サンタアナ地方、パカス家Pacas familyの農園(品種名の由来)
- 発見年
- 1949年
- 開発機関
- エルサルバドル・コーヒー研究所Instituto Salvadoreño de Investigaciones del Café(ISIC)
- 選抜
- 1960年からISICが系統選抜(pedigree selection:世代を重ねて個体を選抜する手法)を開始
- エルサルバドルでの位置づけ
- 同国のコーヒー生産量の約25%を占める。種苗はProcafeから入手可能
- その他の栽培国
- ホンジュラス(1974年にIHCAFEが導入)
02
詳細スペック
SOURCE: WCR CATALOG, 2026-08-10 取得
評価の目安:
▲ 良好
● 標準
▼ 要注意
— WCRカタログ自身の区分(Low/Medium/High/Exceptional等)をそのまま可視化したもの
最適標高帯(WCRカタログの区分は「High」)は緯度により変動する — カタログ自身の目安を可視化:
- 樹形
- 矮性・コンパクトDwarf/Compact
- 新芽の葉色
- 緑Green
- 豆のサイズ
- 平均的Average●
- 収穫量ポテンシャル
- 中程度●
- 高標高での品質
- 良いGood●
- さび病(CLR)耐性
- 低い・感受性あり▼
- 線虫耐性
- 感受性あり▼
- コーヒーベリー病(CBD)耐性
- 感受性あり▼
- 初収穫までの年数
- 3年目
- 必要な栄養レベル
- 中程度●
- 果実の成熟時期
- 平均的Average●
- 生豆歩留まり
- 平均的Average●
- 推奨植栽密度
- 5,000〜6,000本/ha(単幹剪定の場合)
- 遺伝的系統区分
- ブルボン・ティピカ群(ブルボン系)
03
「背が低い」ことが、なぜ長所なのか
SOURCE: WCR VARIETY CATALOG
WCRカタログはパカスについて、矮性であることを「この品種の主たる美点(its chief virtue)」とはっきり書いている。理由は次の通り。
- 1本あたりの効率
- 樹が小さいと、養分が徒長した枝や幹ではなく果実に回りやすく、収量ポテンシャルが上がる
- 面積あたりの本数
- 樹を近づけて植えられるため、農園全体の総生産量を増やせる。推奨植栽密度は5,000〜6,000本/ha(背の高いティピカやムンド・ノーヴォは3,000〜4,000本/ha)
- 収穫作業
- 高い脚立を使わずに手摘みできる。収穫のページで扱っている「完熟した実だけを選んで摘む」作業のしやすさに直結する
同じ「ブルボンの矮性変異」が、各国で別々に見つかっている。 WCRカタログはパカスについて「ブラジルの
カトゥーラ、コスタリカのビジャサルチ(Villa Sarchi)と同様の変異」と説明している。同じ形質の変異が別々の国で独立に見つかり、それぞれの国で主力品種として定着したという構図で、当サイトの
カトゥーラのページと合わせて読むと分かりやすい。ビジャサルチについては
専用ページを参照。
04
今後追加すべき項目
- ビジャサルチ(Villa Sarchi) — 作成済み。ビジャサルチのページにカトゥーラ・パカス・ビジャサルチの3品種比較表を掲載している。
- 「約25%」の出典年 — WCRカタログはエルサルバドルの生産量に占めるパカスの割合を約25%としているが、何年時点の数値かは明記されていない。エルサルバドル側(Procafe/CSC)の統計での確認が必要。
- COE等での入賞実例 — エルサルバドルのカップ・オブ・エクセレンスではパカマラの入賞ロットを当サイトで既に掲載しているが、パカス単独のロットは今回未確認。
- World Coffee Research, Variety Catalog「Pacas」(varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/pacas、2026年8月10日取得)