品種ページ / Variety
Batianバティアン
2010年にケニアでリリースされた品種。背が高いのに耐病性を持つという、あまり例のない組み合わせが特徴である。さび病に中程度の耐性、コーヒーベリー病(CBD)に耐性を持ち、豆のサイズは「非常に大きい」——WCRカタログの中でこの評価を受ける品種は多くない。Ruiru 11の父方系統から派生して作られた、いわば「次の世代」にあたる。
- 最適標高帯
- 低(緯度依存、400〜1,200m)
- 豆のサイズ
- 非常に大きい▲
- さび病耐性
- 中程度の耐性●
- CBD耐性
- 耐性あり▲
01
基本情報
SOURCE: WCR VARIETY CATALOG- 品種名
- BatianBatian
- 系統・成り立ち
- 複合品種。交配元は SL28・SL34・ルメ・スーダン・N39・K7・SL4・ティモール・ハイブリッド
- 育種機関
- Coffee Research Foundation(現 KALRO)。育成地はケニア・ルイルのコーヒー研究所(Coffee Research Station=現 Coffee Research Institute)
- リリース年
- 2010年(ケニア)
- 作り方
- Ruiru 11の一部の系統の父方の親にあたる系統の、F5(第5代)世代からの単木選抜。3つの純系品種を混ぜた複合品種
- 遺伝的系統区分
- 導入交雑(その他)Introgressed (Other)
02
詳細スペック
SOURCE: WCR CATALOG, 2026-09-02 取得
評価の目安:
▲ 良好
● 標準
▼ 要注意
— WCRカタログ自身の区分(Low/Medium/High/Exceptional等)をそのまま可視化したもの
最適標高帯は緯度により変動する — WCRカタログの区分を可視化:
2,000m1,500m1,000m500m0m
1,000〜1,200m北緯/南緯
5°以内
5°以内
700〜900m5〜15°
400〜700m15°以上
- 樹形
- 高いTall
- 新芽の葉色
- 緑または銅色Green or Bronze
- 豆のサイズ
- 非常に大きいVery Large▲
- 収穫量ポテンシャル
- 高いHigh▲
- 高標高での品質ポテンシャル
- とても良好Very Good▲
- さび病(CLR)耐性
- 中程度の耐性Intermediate resistance●
- 線虫耐性
- 感受性あり▼
- コーヒーベリー病(CBD)耐性
- 耐性ありResistant▲
- 初収穫までの年数
- 2年目
- 必要な栄養レベル
- 中Medium●
- 果実の成熟時期
- 不明Unknown(WCR未記載)
- 生豆歩留まり
- 高いHigh▲
- 推奨植栽密度
- 2,000〜3,000本/ha(多幹剪定の場合)
03
この品種の成り立ちと、読み取れること
SOURCE: WCR VARIETY CATALOG(History/Additional agronomic information 欄)
⭐ 「背が高い品種で、なおかつ耐病性がある」ことが珍しい。 WCRはこう書いている——「背の高い品種でありながら耐病性と回復力を併せ持つという稀な組み合わせのため、小規模農家によく適している」。ここでいう回復力は「管理が行き届かない状況や、環境が厳しいときにも耐えられる」という意味で説明されている。
Ruiru 11が「矮性・密植・高収量」で集約的な栽培に向くのに対し、Batianは背の高い在来の樹形のまま耐病性を足したという位置づけになる。
Ruiru 11が「矮性・密植・高収量」で集約的な栽培に向くのに対し、Batianは背の高い在来の樹形のまま耐病性を足したという位置づけになる。
Ruiru 11の続きとして作られている。 Batianは、Ruiru 11の一部の系統の父方の親から、F5(第5代)世代の単木選抜で作られたとWCRは記述している。交配元として挙げられているのは SL28・SL34・ルメ・スーダン・N39・K7・SL4・ティモール・ハイブリッドで、Ruiru 11の父方に入っていた顔ぶれとほぼ重なる。
⚠️ 最適標高帯の区分は「低」である。 WCRの最適標高帯の選択値は「Low(低)」で、赤道±5°の緯度帯なら1,000〜1,200m、緯度15°以上なら400〜700mにあたる(対応はWCRカタログの凡例による)。これはSL28の「High」より低い区分である。
ただしWCRは、この欄が「カップ品質とさび病・CBDへの耐性を特に考慮した」値であると説明している。耐病性が高い品種は、病害の圧力が強い低標高でも成立するため、最適標高帯が低く出る——という読み方ができるが、WCR自身がそう書いているわけではないので、当サイトは値のみを掲載する。
ただしWCRは、この欄が「カップ品質とさび病・CBDへの耐性を特に考慮した」値であると説明している。耐病性が高い品種は、病害の圧力が強い低標高でも成立するため、最適標高帯が低く出る——という読み方ができるが、WCR自身がそう書いているわけではないので、当サイトは値のみを掲載する。
WCRの多地点試験の対象になっている。 この品種の収量とさび病耐性も、WCRの国際多地点品種試験として15か国23か所で評価されている。WCRは「さび病のどのレースが存在するかによって現地での成績は変わりうる」と注記している。
04
今後追加すべき項目
- 名前の由来 — ケニア山の最高峰の名と同じだが、WCRカタログに命名の由来は記載がない。KALRO側の資料で確認したい。
- 「3つの純系品種を混ぜた」の中身 — WCRは複合品種であることと交配元の一覧までしか書いていない。
- N39・ルメ・スーダン・SL4 — WCRカタログに単独エントリがなく、Ruiru 11と共通の課題。
- ケニア国内での普及率 — Ruiru 11との内訳は当サイト未取得。
- World Coffee Research, Variety Catalog「Batian」(varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/batian、2026年9月2日取得)— 樹形・豆サイズ・耐病性・最適標高帯・系統・育種者・History および Additional agronomic information の各欄