HACHIMARU COFFEE ROASTERY
品種ページ / Variety

マルセジェサMarsellesa

サルチモール群に属するさび病耐性品種。ティモール・ハイブリッド 832/2 とビジャサルチ CIFC 971/10 の交配から、CIRAD-ECOMがニカラグアでさび病耐性を目的に血統選抜し、2009年に発表した。中標高向けの高収量品種でありながら、WCRカタログ自身が「カップの酸が際立って高い」と明記している数少ない耐病性品種でもある。

サルチモール系(導入系)
収穫量ポテンシャル
高い
さび病耐性
中程度
発表
2009年(ニカラグア)
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基本情報

SOURCE: WCR VARIETY CATALOG
品種名
マルセジェサMarsellesa
系統・成り立ち
ティモール・ハイブリッド 832/2 × ビジャサルチ CIFC 971/10Timor Hybrid 832/2 x Villa Sarchi CIFC 971/10
育成機関
CIRAD-ECOM(フランスの国際農業研究機関CIRADと、コーヒー商社ECOMの共同)
選抜地
ニカラグアさび病耐性という形質を目的に血統選抜が行われたとWCRが明記
発表年
2009年
遺伝的系統区分
導入系・サルチモール関連Introgressed (Sarchimor related)
WCRによる要約
「中程度の標高に適応した高収量品種。カップの酸が際立って高い
民間企業が関与した耐病性品種。 当サイトのサルチモール系のうち、T5296は各国の公的育種プログラムに配られた集団、IAPAR 59はブラジルの州立研究機関IAPARの選抜である。これに対しマルセジェサは、公的研究機関CIRADとコーヒー商社ECOMの共同という成り立ちを持つ。ロブスタ側ではRoubi 6(Nestlé Research育成)が同様に民間育種の例にあたる。
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詳細スペック

SOURCE: WCR CATALOG, 2026-08-11 取得
評価の目安: 良好 標準 要注意 — WCRカタログ自身の区分(Low/Medium/High/Exceptional等)をそのまま可視化したもの
樹形
矮性・コンパクトDwarf/Compact
新芽の葉色
Green
豆のサイズ
平均的Average
収穫量ポテンシャル
高いHigh
高標高での品質
良いGood
最適標高帯
低〜中Low, Medium(北緯5°〜南緯5°:1,000〜1,600m/5〜15°:700〜1,300m/15°超:400〜1,000m)
さび病(CLR)耐性
中程度の耐性Intermediate resistance
線虫耐性
感受性ありSusceptible
コーヒーベリー病(CBD)耐性
耐性ありTolerant
初収穫までの年数
3年目
必要な栄養レベル
高いHigh
果実の成熟時期
平均的Average
生豆歩留まり
高いHigh
推奨植栽密度
5,000〜6,000本/ha(単幹剪定の場合)
WCRの国際多地点品種試験(IMLVT)で評価された品種である。 WCRはマルセジェサの補足欄に「この品種の収量とさび病耐性は、WCRのInternational Multilocation Variety Trialの一環として15か国23地点で世界的に評価された」と記している。同時に「さび病のどのレース(系統)が存在する環境かによって、現地での実際の性能は変わりうる」という注意も添えられている。当サイトのルワンダのページで触れているIMLVTと同じ試験である。
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同じ交配、違う結果——IAPAR 59との比較

SOURCE: WCR VARIETY CATALOG(両品種のエントリ)

マルセジェサとIAPAR 59は、WCRのLineage欄に記されている交配がどちらも「ティモール・ハイブリッド 832/2 × ビジャサルチ」である。にもかかわらず、育種した国も機関も違い、WCRのスペック評価も一致しない。T5296のページで扱った「サルチモールは品種名ではなく群の名前」という注意が、具体的な数字として現れている箇所である。

サルチモール系3エントリの比較。いずれもWCR Variety Catalogの各エントリ(2026年8月11日取得)より。
項目マルセジェサIAPAR 59T5296
育成機関CIRAD-ECOMIAPAR(ブラジル)—(記載なし)
選抜地ニカラグアブラジルコスタリカ(CATIE)
新芽の葉色薄いブロンズ
豆のサイズ平均的平均的大きい
収穫量ポテンシャル高い中程度中程度
高標高での品質良い低い良い
さび病耐性中程度中程度中程度
線虫耐性感受性あり耐性あり(種による)不明
CBD耐性耐性あり感受性あり耐性あり

樹形・最適標高帯・初収穫年・必要栄養レベル・成熟時期・生豆歩留まり・植栽密度は3つとも同一の評価である。違いが出ているのは葉色・収量・高標高での品質・線虫・CBDの5項目で、とくに高標高での品質はマルセジェサ「良い」に対しIAPAR 59「低い」と、2段階の差がついている。同じ交配から出発しても、どの国のどの環境で、何を基準に世代選抜したかで到達点が変わることを示している。

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今後追加すべき項目

  1. World Coffee Research, Variety Catalog「Marsellesa」(varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/marsellesa、2026年8月11日取得)
  2. World Coffee Research, Variety Catalog「IAPAR 59」「T5296」(同日取得、03章の比較表)