01
基本情報
SOURCE: WCR VARIETY CATALOG
- 品種名
- クスカトレコCuscatleco
- 育成機関
- Fundación Salvadoreña para Investigaciones del Café(PROCAFÉ/エルサルバドルコーヒー研究財団)
- 選抜方式
- 血統選抜Pedigree selection
- 発表年
- WCRカタログに記載なし
- 遺伝的系統区分
- 導入系・サルチモール関連Introgressed (Sarchimor related)
- WCRによる要約
- 「中程度の標高によく適応する。さび病と一部の線虫に耐性を持つ」
PROCAFÉは、当サイトで既出の機関である。 セントロアメリカーノを育成した6機関コンソーシアム「CIRAD-CATIE-ICAFE-IHCAFE-
PROCAFE-ANACAFE」の一員がこのPROCAFÉにあたる。
エルサルバドルは
パカス(ブルボンの矮性変異)や
パカマラ(パカス×
マラゴジッペ)の生まれた国でもあり、
在来の変異を活かした品種と、耐病性を導入した品種の両方を持つ。
02
詳細スペック
SOURCE: WCR CATALOG, 2026-08-12 取得
評価の目安:
▲ 良好
● 標準
▼ 要注意
— WCRカタログ自身の区分(Low/Medium/High/Exceptional等)をそのまま可視化したもの
- 樹形
- 矮性・コンパクトDwarf/Compact
- 新芽の葉色
- 緑Green
- 豆のサイズ
- 大きいLarge▲
- 収穫量ポテンシャル
- 中程度Medium●
- 高標高での品質
- 良いGood●
- 最適標高帯
- 低〜中Low, Medium(北緯5°〜南緯5°:1,000〜1,600m/5〜15°:700〜1,300m/15°超:400〜1,000m)
- さび病(CLR)耐性
- 中程度の耐性Intermediate resistance●
- 線虫耐性
- 耐性ありResistant▲(限定あり・下記)
- コーヒーベリー病(CBD)耐性
- 不明Unknown
- 初収穫までの年数
- 3年目
- 必要な栄養レベル
- 高いHigh▼
- 果実の成熟時期
- 平均的Average●
- 生豆歩留まり
- 高いHigh▲
- 推奨植栽密度
- 5,000〜6,000本/ha(単幹剪定の場合)
線虫耐性の限定条件は、パライネマより具体的に書かれている。 WCRの補足欄は「
Pratylenchus属には耐性がない。Meloidogyne exiguaに耐性がある」と、
パライネマの「一部の
Meloidogyne属」より種名まで特定している。
耐性のある線虫の種が畑にいる線虫と一致しなければ、この耐性は効かない。
03
T5296から生まれた兄弟品種——パライネマとの比較
SOURCE: WCR VARIETY CATALOG(各エントリ)
クスカトレコ(エルサルバドル/PROCAFÉ)とパライネマ(ホンジュラス/IHCAFE)は、どちらも「T5296からの選抜」とWCRのLineage欄に記されている。
T5296由来のサルチモール系2品種の比較。WCR Variety Catalogの各エントリ(2026年8月12日取得)より。
| 項目 | クスカトレコ | パライネマ |
| 育成機関 | PROCAFÉ(エルサルバドル) | IHCAFE(ホンジュラス) |
| 発表年 | 記載なし | 2004年 |
| 収穫量ポテンシャル | 中程度 | 非常に高い |
| さび病耐性 | 中程度の耐性 | 高い耐性 |
| 線虫耐性 | 耐性あり(M. exigua) | 耐性あり(一部のMeloidogyne属) |
| CBD耐性 | 不明 | 耐性あり |
樹形・葉色・豆のサイズ・高標高での品質・最適標高帯・初収穫年・必要栄養レベル・成熟時期・生豆歩留まり・植栽密度は2品種とも同一評価である。同じ集団から出発しながら、収量とさび病耐性の2項目でパライネマが1段階上の評価になっている。T5296のページで扱った「サルチモールは品種名ではなく群の名前」という注意が、ここでも具体的に確認できる。
04
今後追加すべき項目
- 発表年 — WCRカタログに記載がない。パライネマの2004年に相当する情報が得られていない。PROCAFÉ自身の資料が必要。
- CBD耐性 — カタログの評価が「不明」。同じT5296由来のパライネマは「耐性あり」であり、集団内でばらつくのか、単に未評価なのかは判断できない。
- エルサルバドルでの作付け実績 — エルサルバドルのページに、クスカトレコの作付け比率のデータはまだない。同国はパカス・ブルボン中心と紹介されており、耐病性品種の位置づけは未確認。
- PROCAFÉ側の一次資料 — 本ページの経緯はすべてWCRカタログ経由。
- 名称の由来 — 「Cuscatleco」はエルサルバドルの古名「Cuzcatlán」に由来する語と考えられるが、WCRカタログに命名の記載はないため当サイトでは断定しない。
- World Coffee Research, Variety Catalog「Cuscatleco」(varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/cuscatleco、2026年8月12日取得)
- World Coffee Research, Variety Catalog「Parainema」(同日取得、03章の比較表)