HACHIMARU COFFEE ROASTERY
品種ページ / Variety

パライネマParainema

ホンジュラスのコーヒー研究機関IHCAFEが、サルチモール群の出発点T5296から血統選抜し、2004年に発表した品種。さび病に高い耐性を持ち、さらに線虫(Meloidogyne属の一部)にも耐性がある。ホンジュラスのカップ・オブ・エクセレンスには「パライネマ部門」が独立して設けられるほど同国に定着した、中米を代表する耐病性品種のひとつである。

サルチモール系(導入系)
収穫量ポテンシャル
非常に高い
さび病耐性
高耐性
発表
2004年(IHCAFE)
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基本情報

SOURCE: WCR VARIETY CATALOG
品種名
パライネマParainema
系統・成り立ち
T5296からの選抜Selection of T5296。すなわちティモール・ハイブリッド CIFC 832/2 × ビジャサルチの系譜にあたる
育成機関
Instituto Hondureño del Café(IHCAFE/ホンジュラスコーヒー研究所)
選抜方式
血統選抜Pedigree selection(優れた個体を世代ごとに選び続けて形質を固定する方式)
発表年
2004年
遺伝的系統区分
導入系・サルチモール関連Introgressed (Sarchimor related)
WCRによる要約
「中程度の標高によく適応し、さび病と一部の線虫に耐性を持つ
1品種のために競技会の部門が立つ、という定着ぶり。 当サイトのホンジュラスのページで扱っているCOE2025は、伝統品種部門・パライネマ部門・エキゾチック品種部門の3部門構成だった。耐病性品種は一般に「収量と耐病性のために品質を諦めた品種」と見られがちだが、パライネマは競技会で独立部門を与えられる程度には品質面でも評価されている——少なくとも、伝統品種と同じ土俵で比べるのは不公平だと運営側が判断する程度には作付けが広がっている。
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詳細スペック

SOURCE: WCR CATALOG, 2026-08-12 取得
評価の目安: 良好 標準 要注意 — WCRカタログ自身の区分(Low/Medium/High/Exceptional等)をそのまま可視化したもの
樹形
矮性・コンパクトDwarf/Compact
新芽の葉色
Green
豆のサイズ
大きいLarge
収穫量ポテンシャル
非常に高いVery High
高標高での品質
良いGood
最適標高帯
低〜中Low, Medium(北緯5°〜南緯5°:1,000〜1,600m/5〜15°:700〜1,300m/15°超:400〜1,000m)
さび病(CLR)耐性
高い耐性Highly resistant
線虫耐性
耐性ありResistant(限定あり・下記)
コーヒーベリー病(CBD)耐性
耐性ありTolerant
初収穫までの年数
3年目
必要な栄養レベル
高いHigh
果実の成熟時期
平均的Average
生豆歩留まり
高いHigh
推奨植栽密度
5,000〜6,000本/ha(単幹剪定の場合)
線虫耐性の限定条件。 WCRは補足欄で「Pratylenchus属には耐性がない。一部のMeloidogyne属には耐性がある」と明記している。同じ論点はクスカトレコIAPAR 59ムンド・マヤのページでも扱っている——サルチモール系の「線虫耐性」は属・種を選ぶと理解しておくのが正確である。
WCRの国際多地点品種試験(IMLVT)で評価された品種である。 補足欄に「この品種の収量とさび病耐性は、WCRのInternational Multilocation Variety Trialの一環として15か国23地点で世界的に評価された」との記載がある。同時に「さび病のどのレース(系統)が存在する環境かによって現地での実際の性能は変わりうる」との注意も併記されている。マルセジェサレンピラと同じ試験である。
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T5296から生まれた兄弟品種——クスカトレコとの比較

SOURCE: WCR VARIETY CATALOG(各エントリ)

パライネマ(ホンジュラス/IHCAFE)とクスカトレコエルサルバドル/PROCAFÉ)は、どちらも「T5296からの選抜」とWCRのLineage欄に記されている。同じ集団から、隣り合う2国の研究機関がそれぞれ自国向けに固定した品種である。

T5296由来のサルチモール系2品種の比較。WCR Variety Catalogの各エントリ(2026年8月12日取得)より。
項目パライネマクスカトレコ
育成機関IHCAFE(ホンジュラスPROCAFÉ(エルサルバドル
発表年2004年記載なし
収穫量ポテンシャル非常に高い中程度
さび病耐性高い耐性中程度の耐性
線虫耐性耐性あり(一部のMeloidogyne属)耐性あり(M. exigua
CBD耐性耐性あり不明

樹形・葉色・豆のサイズ・高標高での品質・最適標高帯・初収穫年・必要栄養レベル・成熟時期・生豆歩留まり・植栽密度は2品種とも同一評価である。差がついたのは上表の項目で、とくに収量とさび病耐性の2項目でパライネマが1段階上の評価を得ている。T5296のページで扱った「サルチモールは品種名ではなく群の名前」という注意が、ここでも具体的な数字として現れている。

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今後追加すべき項目

  1. World Coffee Research, Variety Catalog「Parainema」(varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/parainema、2026年8月12日取得)
  2. World Coffee Research, Variety Catalog「Cuscatleco」(同日取得、03章の比較表)