HACHIMARU COFFEE ROASTERY
品種ページ / Variety

T5175T5175(カティモール群)

T8667と同じ交配(ティモール・ハイブリッド 832/1 × カトゥーラ=H26)から生まれた集団のうち、1970年代にF3世代でCATIE(コスタリカ)が受け取った系統。ICAFEが血統選抜を行ったが正式にリリースされることはなかった。それでもホンジュラスでのさらなる選抜からIHCAFE 90レンピラが生まれており、群の系譜上は無視できない位置にある。

カティモール系(導入系)
収穫量ポテンシャル
高い
さび病耐性
中程度
位置づけ
正式リリースなし
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基本情報

SOURCE: WCR VARIETY CATALOG
名称
T5175。「T」はCATIEの所在地トゥリアルバ(コスタリカ——T8667T5296と同じ命名規則
系統・成り立ち
ティモール・ハイブリッド 832/1 × カトゥーラTimor Hybrid 832/1 x Caturra。CIFCでの交配呼称はH26
育成機関
Instituto del Café de Costa Rica(ICAFE/コスタリカコーヒー研究所)
選抜方式
血統選抜Pedigree selection(優れた個体を世代ごとに選び続ける方式)
リリース
ICAFEから正式にリリースされたことはないとWCRが明記
遺伝的系統区分
導入系・カティモール関連Introgressed (Catimor related)
WCRによる要約
「高収量でもっとも低い標高帯に適応する。高い施肥を必要とする。品種は均一ではない
「均一ではない」集団である。 WCRは補足欄で「T5175は均質ではなく、植物は世代から世代へ安定しない」と明記している。同じことはT5296(サルチモール群の母体)にも書かれており、群の母体にあたる集団は、そのままでは農家向けの品種にならないという共通の性格が見える。ホンジュラスでの追加選抜が必要だった理由もここにある。
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詳細スペック

SOURCE: WCR CATALOG, 2026-08-12 取得
評価の目安: 良好 標準 要注意 — WCRカタログ自身の区分(Low/Medium/High/Exceptional等)をそのまま可視化したもの
樹形
矮性・コンパクトDwarf/Compact
新芽の葉色
濃いブロンズDark Bronze
豆のサイズ
平均的Average
収穫量ポテンシャル
高いHigh
高標高での品質
非常に低いVery Low
最適標高帯
低〜中Low, Medium(北緯5°〜南緯5°:1,000〜1,600m/5〜15°:700〜1,300m/15°超:400〜1,000m)
さび病(CLR)耐性
中程度の耐性Intermediate resistance
線虫耐性
感受性ありSusceptible
コーヒーベリー病(CBD)耐性
感受性ありSusceptible
初収穫までの年数
2年目
必要な栄養レベル
非常に高いVery High
果実の成熟時期
平均的Average
生豆歩留まり
低いLow
推奨植栽密度
4,000〜5,000本/ha(単幹剪定の場合)
オホ・デ・ガジョ(Ojo de Gallo)に非常に感受性が高いとWCRが明記している。カティモール群に共通して指摘される病害で、T8667コスタリカ95レンピラIHCAFE 90のいずれにも同様の記載がある。当サイトにこの病害の解説ページはまだない。
03

耐病性は永久ではない——カティモール群とさび病

SOURCE: WCR VARIETY CATALOG(各エントリの補足欄)

WCRはカタログのさび病耐性の項目に、あらかじめ次の注意書きを置いている。「植物の病気は絶えず進化している。今日ある病気に耐性を持つ品種が、明日も耐性を持つとは限らない」。カティモール群は、この注意書きが実際に現実になった群である。

カティモール群のさび病耐性評価と、WCRが補足欄に記した「感受性が確認された」旨の記載。WCR Variety Catalog(2026年8月12日取得)より。
品種WCRのさび病耐性評価補足欄の記載
T8667(群の母体)中程度の耐性
T5175中程度の耐性
コスタリカ95低い/感受性コスタリカでさび病感受性が科学的評価により確認された。中米の他地域でも感受性の可能性
レンピラ中程度の耐性ホンジュラスでさび病感受性が科学的評価により確認された。中米の他地域でも感受性の可能性
IHCAFE 90低い/感受性ホンジュラスでさび病感受性が科学的評価により確認された。中米の他地域でも感受性の可能性
カティシック中程度の耐性—(オホ・デ・ガジョ感受性の記載のみ)

さび病に勝つために作られた品種が、数十年後にはそのさび病に負けている。 ティモール・ハイブリッド由来の耐性が破られうることは、WCRがマルセジェサパライネマの補足欄で繰り返す注意——「どのレース(系統)のさび病が存在する環境かによって現地での性能は変わりうる」——とも一致する。「耐病性品種」というラベルは、その時点・その地域での評価にすぎない

この論点は当サイトの他ページにもつながっている。 コロンビアのカスティージョ複数系統を混ぜた複合品種として設計されているのも、単一の系統に頼ると突破されやすいという同じ問題への対処である。T8667のページで扱った集団選抜・血統選抜の違いも、この文脈で読むと意味が変わってくる。
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今後追加すべき項目

  1. World Coffee Research, Variety Catalog「T5175」(varieties.worldcoffeeresearch.org/varieties/t5175、2026年8月12日取得)
  2. World Coffee Research, Variety Catalog「T8667」「T5175」「Costa Rica 95」「Lempira」「IHCAFE 90」(同日取得、03章の一覧表)