HACHIMARU COFFEE ROASTERY
抽出 / Brewing Devices

いろいろな抽出器具Brewing Devices

コーヒーの淹れ方は一つではない。お湯を通すもの、お湯に浸けるもの、圧力をかけるもの、火にかけるもの——全日本コーヒー協会は8つの器具を紹介している。器具が変われば、挽き方も粉の量も変わる。このページは器具ごとのページへの入り口であり、器具×挽き方の対応表そのものでもある。

基本原則
6つ
紹介されている器具
8種
挽き方の区分
5段階(公的基準)
当サイトのページ
12器具
01

おいしく淹れるための6つの基本原則

SOURCE: 全日本コーヒー協会「基本原則」

器具の話に入る前に、どの器具にも共通する土台がある。AJCA(全日本コーヒー協会)は6つのポイントを挙げている。

01新鮮な焙煎豆を使用する
02器具にあった挽き方をする
03器具に合わせたコーヒー量を使用する
04適切な水を使用する
05清潔な器具を使用する
06適切な抽出温度と抽出時間を守る
⭐ 6つのうち3つが「器具に合わせる」話である。 挽き方・分量・温度と時間——器具が変われば、正解も変わるということを、この原則そのものが言っている。だから当サイトも器具ごとにページを分けている豆の鮮度については保存のページ、水については抽出ページ 04章(SCAの水質基準)で扱っている。
02

器具別の挽き方と、粉の標準的な分量

SOURCE: 全日本コーヒー協会「挽き方と分量」

AJCAは器具×挽き方の対応表を公開している。1杯分の標準的な粉の量は、器具ではなく「挽き方」の側についている——という作りの表である。

挽き方[1杯分の粉量]ペーパードリップネルドリップサイフォンエスプレッソフレンチプレス
極細挽き[6〜8g]
細挽き[8〜10g]
中細挽き[約10g]
中挽き[12〜13g]
粗挽き[約15g]
⭐ 「細挽き」の行には、どの器具も入っていない。 表を素直に読むと、5段階の挽き方のうち「細挽き」だけ、対応する器具が1つも示されていない理由は表にも本文にも書かれていないので、当サイトはそう書かれているという事実だけを記載する。挽き方の5段階そのものは、日本の公正競争規約が定める公的な区分である(→表示ルール)。
⚠️ AJCA自身の資料の中で、数字が食い違っている箇所がある。 この表ではネルドリップは中挽き・粗挽きだが、AJCAの「ネルドリップ式の淹れ方」のページは「細挽き〜中細挽き 12g」と書いている。サイフォンも、表では中細挽き〜粗挽きだが、手順のページでは「中細挽き 15g」である。当サイトは、どちらが正しいかを判断せず両方を示す——出典が自分自身と食い違うときは、そう書くのが当サイトの方針である(品種ページでWCRの記述の食い違いを扱ったのと同じ扱い)。
03

いろいろな抽出器具

SOURCE: 全日本コーヒー協会「いろいろな器具」

AJCAは8つの器具を紹介している。以下の説明文は、すべてAJCAの記述である(当サイトのページがあるものはリンクを付けた)。

SIPHON

サイフォン

コーヒーの味わいがしっかりと抽出され、全体的にバランスの取れた丸い味わいに。条件がそろえば、誰が淹れても味の差が出にくいのも特徴です。

→ サイフォンのページ
NEL DRIP

ネルドリップ(布ドリップ)

起毛した布「フランネル」で作られたフィルターは、洗いながら繰り返し使うことができます。舌触りの滑らかなコクのある味わいが楽しめる抽出方法です。

→ ネルドリップのページ
FRENCH PRESS

フレンチプレス

ガラスポットにコーヒー粉をセットしてお湯を注ぎ、数分間待つだけで手軽にコーヒーを淹れられます。コーヒーの成分がしっかりと抽出されるので、豆の味わいをダイレクトに楽しむことができます。

→ フレンチプレスのページ
WATER DRIP

ウォータードリップ(水出しコーヒー滴下式)

6〜8時間(10杯分)かけて一滴ずつポタポタと水を落としてコーヒーを抽出。ウォータードリップ、ダッチコーヒー、コールドブリューともいわれ、コクのある甘味が特長です。

→ アイスコーヒーと水出しのページ
IBRIK

イブリック

トルコ式コーヒー(ターキッシュコーヒー)を淹れるための器具。微粉状のコーヒーを入れ、火にかけ煮出しながら抽出し、煮出し終わったコーヒーは、こさずに上澄みだけを飲みます

→ イブリックのページ
PERCOLATOR

パーコレーター

ポットの中にあるバスケットにコーヒー粉をセット後、水を入れて火にかけます。お湯が沸騰すると中にあるパイプを伝って循環し、コーヒーが抽出されます。

→ パーコレーターのページ
CAFE FINN

カフェ・フィン(ベトナム式)

ベトナム式コーヒーを淹れる専用ドリッパー。フィルターにコーヒー粉を入れ、お湯を注いで抽出します。コンデンスミルクを入れたグラスの上で抽出するのがベトナム式。

→ カフェ・フィンのページ
CAFE NAPOLETANA

カフェ・ナポレターナ(ナポリ式)

イタリア・ナポリ地方に古くから伝わるコーヒー抽出器。ポットが上下2段に分かれており、コーヒー粉と水を入れて火にかけ、沸いたら逆さまに返してコーヒーを抽出します。

→ カフェ・ナポレターナのページ
AEROPRESS

エアロプレス

2005年、Alan J. Adlerが発明した比較的新しい器具。円筒の中でコーヒーと湯を混ぜて浸漬させたあと、ピストンを押し込んで圧力でろ過する。AJCAの一覧には含まれていない。

→ エアロプレスのページ
MOKA POT

モカポット

1933年、イタリアのAlfonso Bialettiが考案。下部タンクの水が沸いて生じる蒸気圧で湯を押し上げ、粉の層を通過させる直火式の器具。AJCAの一覧には含まれていない。

→ モカポットのページ
⭐ 8つのうち、火にかけるものが4つある。 イブリック・パーコレーター・カフェ・ナポレターナ、そしてサイフォンは、器具そのものを加熱するペーパードリップやネルドリップのように「沸かしたお湯を注ぐ」ものとは、湯の温度の管理のしかたが根本的に違うただしAJCAの資料は、それぞれの適温を示していない
エスプレッソとインスタントは、この一覧には入っていない。 AJCAは「代表的な抽出方法」としてペーパードリップ式・ネルドリップ式・エスプレッソ式・サイフォン式の4つを別立てで扱い、「いろいろな器具」はそれ以外という構成になっている。当サイトではエスプレッソインスタントコーヒーにそれぞれページがある。
04

当サイトにページがある器具

器具方式1杯分の目安(AJCA)
ペーパードリップ透過式(お湯が粉の層を通り抜ける)中細挽き12g/湯160mL
ネルドリップ透過式(布フィルター)細挽き〜中細挽き12g/湯160mL
サイフォン浸漬式(お湯に浸けてから落とす)中細挽き15g/湯160mL
フレンチプレス浸漬式(漬けたまま数分)表では中挽き12〜13g/粗挽き約15g
エスプレッソ加圧式(圧力をかけて押し出す)極細挽き6〜9g/25〜35mL
水出し滴下式・浸漬式(水で長時間)滴下式は6〜8時間で10杯分
イブリック煮出し式(フィルターなし)微粉状・数値の目安は今回未確認
パーコレーター沸騰・循環式数値の目安は今回未確認
カフェ・フィン透過式(金属フィルター)数値の目安は今回未確認
カフェ・ナポレターナ加熱後、反転して透過数値の目安は今回未確認
エアロプレス浸漬+加圧ろ過(AJCA未掲載)特許明細書に数値の指定なし
モカポット蒸気圧による加圧式(AJCA未掲載)数値の目安は今回未確認
大きく分けると4つになる。 ①お湯を通す(透過式)=ペーパー・ネル・カフェ・フィン、②お湯に浸ける(浸漬式)=フレンチプレス・サイフォン・水出し、③圧力をかける(加圧式)=エスプレッソ・モカポット・エアロプレス、④火にかけて直接抽出する(煮出し・循環・反転のいずれか)=イブリック・パーコレーター・カフェ・ナポレターナ。この区分は、当サイトが上の各ページの手順から整理したもので、AJCAの資料がこの分類を示しているわけではないただし抽出のページで扱っているSCAの規格や学術研究は、「浸漬式(full immersion)」「透過式(percolation)」という言葉を実際に使い分けている。
05

今後追加すべき項目

  1. 全日本コーヒー協会(AJCA)「おいしいコーヒーを淹れるための基本原則/挽き方と分量」(coffee.ajca.or.jp/知る・楽しむ、2026年8月20日取得)— 6つの基本原則、器具×挽き方の対応表と1杯分の粉量
  2. 全日本コーヒー協会(AJCA)「いろいろな器具」(同上)— サイフォン/ネルドリップ/イブリック/パーコレーター/フレンチプレス/ウォータードリップ/カフェ・フィン/カフェ・ナポレターナの8器具の説明
  3. 全日本コーヒー協会(AJCA)「ペーパードリップ式」「ネルドリップ式」「サイフォン式」「エスプレッソ式」(同上)— 04節の1杯分の目安